福岡番外編 小倉城の巻🐎

旅行

小倉城は1602年(慶長7年)に、細川忠興公によって7年の歳月を掛けて築かれました。開門海峡に面した小倉は陸海の交通の要衝として古くから重視された場所です。

この場所を押さえる為に築かれたのが小倉城で、さまざまな攻防を繰り広げていました。小倉の街は本州と九州を結ぶ玄関口となり、また、中津街道や長崎街道の出発点であり、「九州のすべての道は小倉に通じる」といわれるほど、大変栄えていました。

細川忠興公の功績…城下町繁栄策として、諸国の商人や職人を集めて商工業保護政策を実施。外国貿易も盛んにおこない、同時に祇園祭りも誕生させました。

小倉城の外観で注目すべき点とは

唐造りの天守

小倉城の天守は唐造りからづくりと呼ばれ、4階と5階の間に屋根のひさしがなく、5階が4階よりも大きくなっているのが特徴です。これは、全国でも珍しい建築様式です。

野面積み

小倉城の石垣は切り石を使わない野面積みのづらづみ(石が加工されておらず、そのままの形で石垣を作る方法)という技法で造られています。

小倉城
小倉城

ここで、お城の石垣講座

石垣の加工法は『野面積み』『打込接』『切込接』の3種類あります。

石垣が登場し始めたときの技法は『野面積み』です。

野面積みの歴史は、織田信長の安土城が始まりとされていて、安土桃山時代~江戸時代にかけて盛んに造られるようになりました。

野面積みのメリット&デメリット

☆メリット☆

 ①隙間が空いているため、水ハケが良く大雨に強い

 ②石同士に隙間があり、間詰め石が緩衝材になるので地震に強い

★デメリット★

①隙間を利用して敵に侵入されやすい

②高く積み上げにくい

この技法が見られるお城は竹田城(兵庫県)、安土城(滋賀県)、金沢城(石川県)、浜松城、岡山城などです。

次に主流になった技法が『打ち込み接』です。形や大きさが揃うように加工され、隙間には石同士がぴったり合うように間詰め石を入れます。これは関ヶ原の戦い(1600年)~大坂の陣(1615年)頃に築城されたお城に多く存在します。代表的なお城は、名古屋城(愛知県)、姫路城(兵庫県)です。

なつみ
なつみ

へぇ~。

屋根や石垣などに注目すると昔の人は改めてすごい技術を持ってるんだなぁ。

城は奥が深いぞぉ!

小倉城の歴史

実は、小倉城の本丸は1837年(天保8年)に火災によって全焼しています。2年後に再建されたものの天守は再建されませんでした。

幕末期の1866年(慶応2年)になると、小倉は長州藩を攻める幕府の拠点となりましたが、幕府軍の足並みは揃わずかえって長州藩軍に攻め込まれてしまい、自ら小倉城に火を放ち戦戦を後退せざるをえませんでした。

現在の小倉城は1959年(昭和34年)に市民の熱望により天守閣が再建され、当時の失われた天守閣を再現されています。

2度の戦火に巻き込まれましたが、石垣だけは築城当時のままを保たれているそうです。

小倉城は桜の城

春になると、小倉城周辺にはソメイヨシノなどの様々な種類の桜が咲きほこります。その数なんと約300本!!🌸🌸桜が咲くお城は全国に多数存在しますが、小倉城は江戸時代から桜の木が植えられています。これは全国的に珍しく桜の城として親しまれています。

なつお
なつお

一体、なんで桜が植えられているのが珍しいの??

当時、桜の木は戦の際の薪として使用していたため、城の敷地内にはほとんどの藩が松の木しか植えられませんでした。松の木は、主に食糧や薬となるからです。

そもそも、お城に樹木を植えられることは稀なことなのです。というのも城が攻められたときに樹木は視界を遮る上に、敵にとっては隠れる場所となり邪魔となるからです。

ですが、ここ小倉城では例外的に桜を植えることを許可されていました。一体なぜなのでしょうか…。

それは、小倉藩は徳川第3代将軍の徳川家光より『九州諸大名監視』の特命を受けていたため。幕府から九州探題としての役割を命じられた特別な立場であったことがわかります。

ソメイヨシノ以外にも様々な桜が植えられているため、早春~晩春まで楽しめます。

また、毎年3月下旬になると『小倉城桜まつり』が開催され、歌や踊りなどの様々なイベントが行われるようです!天守閣広場前では小倉の特産物や名物をいただけるお店も出店するようです!!

小倉城がある勝山公園周辺の桜情報は⇩からご確認ください

こくらさくらまっぷ
北九州市ホームページです。

ちなみに、今年2023年は3月20日に開花したようです。

☆城内を楽しむポイント☆

各階ごとの概要

小倉城は1階から5階まで城内を巡ることができ、1階からエレベーターで最上階の展望スペースに行けるようになっています。

なつみ
なつみ

ここからは、各階ごとの見どころを紹介するよ!!

1階…小倉城下の賑わいを体感できる

流鏑馬やぶさめ体験や小倉城をテーマとしたクイズなど遊びながら江戸時代の小倉城下の暮らしぶりを体験できる!

大迫力の小倉城シアターで約400年の歴史を10分ほどで観ることができ、築城と城下町の整備から、昭和の再建までの歴史を観ることができる!

☆大名駕籠に乗ることができる!

2階…小倉城ゆかりの人物、細川家、小笠原家の紹介

小倉藩主であった細川氏や小笠原氏など小倉城をめぐる人物に焦点を当てて紹介。また、創建当時の天守閣を再現した模型も展示されています

3階…宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘の様子

1612年(慶長17年) 宮本武蔵VS佐々木小次郎 巌流島の戦い(舟島)

佐々木小次郎になりきり、宮本武蔵との写真撮影ができる!

はい、完全にふざけてる私です(笑)佐々木小次郎になりきって真剣白刃取りの逆バージョンをやりました。周りに人がいないかをしっかり確認して(笑)

みなさんも、佐々木小次郎になりきってぜひ面白い一枚を写真におさめましょう!!

宮本武蔵と対戦する様子
佐々木小次郎が一撃で敗戦する様子

☆小倉城のおすすめ写真撮影スポット☆

①『北九州市庁舎』16階から

②小倉城のすぐ北に隣接する複合施設『リバーウォーク北九州』の5階・6階

③小倉城庭園内から

入城料

一般:350円 中高生:200円(小倉城庭園と合わせて2施設共通券560円、小倉城庭園、松本清張記念館の3施設を合わせた共通券700円)

開館時間

小倉城天守閣 

4月~10月9時~20時
11月~3月9時~19時
※最終入場は30分前 イベントの有無により営業時間変更の場合あり。

小倉城天守閣は、年中無休で日没後~22時までライトアップされています。

小倉城までのアクセス 

電車の場合

JR鹿児島本線、小倉駅下車し徒歩15分。または、西小倉駅下車し徒歩5分

お車の場合 

北九州都市高速道路、勝山出口、または、小倉駅北口出口から5分。北九州市庁舎地下に有料駐車場(40台)有り。

小倉城周辺の見どころ

小倉城庭園

小倉城庭園とは、小笠原氏の別邸であった下屋敷(御遊所)跡を復元した大名の庭園と江戸時代の武家の書院を再現し、それに加え茶室・展示棟がある文化施設となっています。

小倉城を築いた細川氏のあとを234年にわたって城主をつとめた小笠原家は徳川幕府の有力な大名でした。小笠原家は『思いやりの心』『もてなしの心』の礼法を大切にしていました。

小倉城庭園は、その心とともに礼法の歴史、礼法を中心にした伝統的な生活文化を後世に継承していくための日本で唯一の施設になり、4つのゾーンがあります。

  • 庭園ゾーン:池泉回遊式庭園で、池面が周囲よりかなり低い『のぞき池』が特徴
  • 書院ゾーン:日本の伝統的な本格的木造建築物で庭の景色を楽しめる
  • 展示ゾーン:礼法の歴史、暮らしの中への広がりまで紹介する展示品や映像を見ることができる
  • 体験ゾーン:立礼席で本格的な抹茶が楽しめ、和室では茶会の催し等に利用できる

アクセス

八坂神社(祇園神社)

八坂神社は小倉城のすぐ隣にあります。関ヶ原の戦後にこの地を治めた細川忠興公によって1617年に創建されました。

主祭神は日本神話にも登場する須佐之男命スサノオノミコト

しかし相次ぐ合祀によって、御祭神はなんと16の御祭神が祀られています。

そのご利益は、厄除け、疫病退散、商売繁盛、家内安全、産業隆昌、縁結び、縁切り、陸海空交通安全、芸能上達、五穀豊穣、医療医薬、温泉の神、学問、酒造り、禁厭きんようです。

スサノオノミコトは妻に対しての想いを込めた、和歌をつくって贈るほどの愛妻家、妻想いの優しい一面があったようです。妻に対して想いを詠んだ歌は、日本で初めて詠まれた和歌といわれているそうです。ということで、縁結びの神様でも知られ、縁結びしたい人にピッタリの神社なのです!

また、細川忠興公は眼病平癒の神様とも呼ばれているようです。

小倉城の西にある愛宕山あたごやまに鷹狩に出かけた忠興公は小さな社を見つけました。祠の中にあるご神体を覗き見ようと杖でこじ開けた際に、一羽の鷹が飛び出して忠興公の眼を蹴り失明同然になりました。

反省した忠興公は神社を建立すると目が回復したと伝えられています。その逸話から眼病平癒の神様として眼病にご利益があると言い伝えられています。本殿にはこの時に奉納された「眼病平癒」の灯篭があり、県文化財に指定されています。

実は、八坂神社の本殿は1つのように見えますが中には2つの祇園様が祀られています。全国的にも2つの祇園様を一緒に祀っているのは珍しいようです

八坂神社では結婚式や、和室での披露宴もできます。

開門:朝6時 閉門:17時20分

小倉祇園 八坂神社
北九州市小倉の八坂神社です。元和三年(1617年)細川忠興公により御創建され豊前総鎮守小倉祇園八坂神社と称えられる当社は、平成二十九年に御創建四百年をお迎え致しました。

北九州市立松本清張記念館

芥川賞も受賞された松本清張は北九州市出身で、「点と線」、「眼の壁」など社会派推理小説という新分野を世に出した作家です。松本清張の自伝的小説『半生の記』では小倉での生活を当時の風景と共に描かれています。

この施設では、約40年間の作家生活で膨大な作品を世に出した清張の生涯を振り返ることができます。

直筆原稿や取材に持参したカメラなどの愛用品、書斎や倉庫、応接室など自宅の一部を再現した空間から、清張のノンフィクション作品を題材にしたドキュメンタリー映像も観ることができます。

料金 

一般600円
中高生360円
小学生240円

営業時間 9時半~18時まで(入館は17時半まで)

定休日 毎週月曜日(休日の場合は翌日)、年末年始

アクセス 

電車の場合:JR西小倉駅から徒歩5分                              

車の場合:北九州都市高速勝山出口より約5分、大手町出口より約8分

北九州名物 鉄なべ餃子

小倉城から歩いて10分にある『小倉鉄なべ総本店』にやってきました。一口サイズの餃子が熱々で食べられるということでどんなものかとワクワクして入店しました。

口コミの評価も高かったので、私の期待度も高かったのですが、お肉の旨みや野菜の甘みが感じられず個人的にはイマイチでした。ですが、個人の感想なので、小倉城を訪れた際には一度足を運んでみてください。

また、こちらの店舗では小倉名物の『サバのじんだ煮をいただけます。北九州・小倉藩主の小笠原公がサバのじんだ煮(ぬかだき)を好んでいたことが始まりです。ぬかみその風味と甘辛さが特徴でビールと合わせていただくとよさそうです!!他にも、焼うどんや、炊き餃子も人気みたいです♬

店内はレトロモダンな雰囲気で、掘りごたつ席もあります。飲み放題コースやランチもあります。

小倉鉄なべ総本店の鉄なべ餃子
鉄なべ餃子

※注文時の注意点※

鉄なべ餃子は初回注文は2人前からでしか注文できません、2回目以降は1人前から頼めます。一人前8個入り(税込み680円)

アクセス

営業時間

月~日曜日 11時~23時まで 定休日なし 

小倉鉄なべ 公式ホームページ
“鐡の街”北九州の名物として愛され続ける小倉鉄なべ餃子。よく熱した漆黒の鉄なべでカリッと黄金色になるまで丁寧に焼き上げた、創業以来こだわり続ける当店自慢の一品です。お店の味を全国日本全国の方々にも味わってほしいという想いから、冷凍餃子の全国地方発送も承っています。ぜひご利用ください。

まとめ

小倉城は『体験型観光スポット』として2019年にリニューアルされ、日本史に疎い人でも楽しめるのが魅力だと思います!!なんといっても大名駕籠に乗ったり、佐々木小次郎になりきれてしまうなんて思ってもいなかったので、本当にその時代にタイムスリップしたかのような体験ができました。城下町の暮らしぶりを堪能出来て、遊んで学べて最高の1日を過ごせました。

お城に興味がなくても、歴史に詳しくなくても十分楽しめるので初心者におすすめできる小倉城、いざ入城あれ🐎🐎

小倉城周辺には、八坂神社、庭園、松本清張記念館が密集しているので半日は過ごすことができます!!

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